2025年2月末に40年の歴史に幕を下ろした「松本パルコ」。閉店後の跡地利用は、松本市の中心市街地の活性化を占う大きな注目を集めていました。当初、新たな商業施設が2025年11月にオープンするとの期待が高まっていましたが、最新の情報によると、グランドオープンが2026年に延期される見込みであることが分かりました。
一体、その後どうなっているのでしょうか?計画の内容と現在の状況、そして今後の見通しまですべてお伝えします。
旧松本パルコ跡地、新商業施設の開業はいつ?
松本パルコの閉店後、跡地の事業主となった商業コンサルティング会社「やまき」(東京都港区)は、当初2025年11月のグランドオープンを目指していました。しかし、やまき側が関係者に対し、開業を2026年春に延期すると伝えたことが明らかになりました。
入居予定テナントからは困惑の声…延期の背景は?
今回の延期を受け、入居を予定していた旧パルコのテナント関係者からは困惑の声が上がっています。報道によると、以下のような問題点が指摘されています。
✅ 説明の変遷
当初「閉店直後から営業を続けながら改装する」と説明があったが、後に「施設運営体制の構築が困難」として延期が伝えられた。
✅ 延期の理由
「建物が老朽化していて営業許可が下りなかった」との説明が一部テナントにあった模様。
✅ 不透明な状況
入居予定テナントに対し、賃料などの具体的な条件提示がされておらず、先行きが見えない状況。
✅ 補償の問題
営業補償を求めたテナントに対し、「前例がない」として断られたとの証言も。
✅ 情報の錯綜
やまきの関連会社担当者は、テナントへのメール送信の事実を一部否定するなど、情報が錯綜している。
従業員の再雇用や事業計画に大きな影響が出ているテナントもあり、やまき側の丁寧な説明と今後の明確なビジョンが早急に求められています。

旧松本パルコのその後は?
計画が遅れている一方で、新施設の構想そのものには大きな期待が寄せられています。やまきが掲げるのは、従来の物販中心の商業施設とは一線を画す「劇場型SC(ショッピングセンター)」というコンセプトです。
▼「劇場型SC」の注目ポイント
エンターテイメント性を高め、モノ消費からコト消費へ、人々が集い交流する空間を目指す新しい形の商業施設です。
✅ ライブステージなどのイベントスペースを設置
✅ 上層階はイベント、中層階は物販、下層階は食品フロアを想定
✅ 隣接する花時計公園との連携も視野に
この構想が実現すれば、松本パルコ跡地は単なる買い物の場所ではなく、文化発信や市民交流の新たな拠点として、街に活気をもたらす存在になりそうです。
松本パルコ閉店の経緯と松本市の中心市街地活性化への期待
松本パルコ跡地の利用を巡っては、市が公共施設を入れる案が浮上するなど、紆余曲折がありました。2024年の市長選でも大きな争点となり、最終的に民間主導での再生へと舵が切られた経緯があります。
中心市街地では「井上百貨店」も閉店しており、商業の空洞化が懸念される中、今回のプロジェクトはまさに活性化の切り札として期待されていました。
事業主の「やまき」は、松本駅前のアルピコプラザの改装を手掛けた実績もあり、その手腕に期待が寄せられています。今回の開業延期という課題を乗り越え、市民が誇れる新たなランドマークを誕生させてほしいところです。
旧松本パルコ跡地(新施設予定地)の場所・アクセス
◆ 所在地
〒390-0811 長野県松本市中央1丁目10-30
◆ アクセス
JR「松本駅」お城口から徒歩約6分
まとめ:今後の動向に注目
松本パルコ閉店後、大きな期待を集めていた跡地の再開発ですが、開業延期という新たな局面を迎えました。入居予定だったテナントや地域住民からは不安の声も聞かれますが、「劇場型SC」という魅力的な構想が実現することへの期待も依然として大きいままです。
事業主である「やまき」には、課題を乗り越え、松本の中心市街地に再び賑わいをもたらしてくれることを願うばかりです。今後の正式な発表から目が離せません。